雨の日の頭痛について

こんにちは。谷川(脳神経内科専門医)です。今回は雨の日の頭痛について。

 頭痛の患者様で、

「雨の日の前後は頭痛がひどくなって辛いです。」

「雨の日はめまいがしたり、気分がすぐれません。」

というお話を聞きます。

雨の日に頭痛やめまいが生じる原因は、脳細胞の浮腫み、脳血管の拡張、内耳の過敏性などと推測されています。

こうしたときに漢方薬の「五苓散(ごれいさん)」を内服すると著効することがあります。

五苓散は、「水毒(すいどく)」に対して用いる漢方で、古典的には「熱が出て喉が渇いたり、尿量が減っている。」など水分バランスの異常に対して用いられてきました。

「バランスの異常」と書いたのは、体の中での、水分の分布バランスが崩れている、という意味です。(水分全体量の過不足ではないです)

五苓散が創薬されたのは、約1800年前の「傷寒論」という古典においてですが、頭痛に対して有効であるとはじめに報告されたのは、意外と最近で、約200年前の日本人医師の村井琴山と言われています。それから近年までに経験的に頭痛に多く用いられるようになりました。

最近の研究では「雨の日に頭痛が悪化する患者の約90%に五苓散が有効」であったとの報告もあります。(灰本ら.1998年)

五苓散の作用機序についてですが、脳細胞を含めて細胞間の水の出し入れを調節している、アクアポリンという細胞壁にある蛋白に作用し、脳細胞の浮腫みをとるのではと言われています。あくまで水分バランスを整えるので五苓散を飲むと脱水になったり水分過剰になったりはしません。副作用の非常に少ない薬剤と言われています。

「雨の日の頭痛がひどくて・・。副作用が少なくて、効果が高いお薬が欲しいな。」

などお考えの方、選択肢の一つとしてお勧めいたします。

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